2023
07.20

発見+PLUS

世界に誇る安全とおいしさ
北海道の牛乳・乳製品

ホクレン農業協同組合連合会 酪農部 生乳共販課 黒政 聰

  • 北海道と聞いて、大草原に放牧されている牛をイメージする方もいらっしゃるのではないでしょうか。それもそのはず、北海道は生乳生産量が全国1位。国内の生乳生産量の半分以上を占める酪農王国です。
    今回は、北海道の酪農や生乳の生産・流通について、ホクレン生乳共販課の黒政がご説明いたします。

    ホクレン農業協同組合連合会
    酪農部 生乳共販課
    黒政 聰

北海道の酪農について

  • 今でこそ酪農王国北海道と言われていますが、150年ほど前は原始林を切り開く開拓使時代でした。酪農技術を取り入れるため、明治6年(1873年)に米国から招かれたエドウィン・ダンが、牛や羊と共に北海道へやってきたのが北海道酪農の起源と言われています。
    北海道は乳牛が好む冷涼な気候とキレイな水・空気などがあることに加えて、広大な土地を有していることから酪農が盛んです。特に、一面の草地が広がる道東や道北などの酪農専業地帯(お米や野菜の生産が難しい地域)では、北海道内の約8割の生乳を生産しています。

生乳から牛乳・乳製品へ

  • 令和4年度指定団体別受託乳量

  • 令和4年度の生乳生産量約700万tのうち、北海道は約400万tを占めます。その生乳が仕向けられる用途として、都府県産は飲用向けが約90%、乳製品向けが約10%と飲用向けが主体であるのに対し、北海道では飲用向けが約20%、乳製品向けが約80%であるため、国産乳製品の多くは、北海道産の生乳から製造されていると言えます。これは、北海道が人口の多い大都市圏から離れているため、主に保存のきく乳製品に向けられていることによります。

    また北海道は、都府県の飲用需要に応える役割も同時に担っています。牛乳パックに製造された牛乳や、生乳のまま輸送タンクで都府県に運ばれます。ホクレンでは、都府県の生乳生産量と飲用需要の変動に対応しながら、第一ほくれん丸・第二ほくれん丸の2隻を中心として日々安定供給に努めています。

  • 〇ミルクツリー

     

    ※一般社団法人Jミルク「日本のミルクサプライチェーン2022」より
     生乳の多様な用途について、枝分かれを各用途に例えています。

    生乳が牧場から乳業工場に届くまで

  • 北海道では日量1万t〜1.2万tの生乳が生産されています。酪農家が生産した、良質で安全・安心な生乳ならびに牛乳・乳製品を、新鮮なまま、素早く、安定的にお届けするため、生乳流通全ての段階で衛生管理を徹底しており、世界でもトップレベルの乳質であるという自負を持ち、関係者一丸となって取組んでいます。
    2021年2月にリリースしたアーカイブでは、生乳の貯蔵や品質管理について掲載していますので、こちらもぜひご覧ください。

     

  • 〇北海道の生乳・乳製品の輸送

  • 皆さんが普段口にしている北海道産の牛乳は、世界にも誇れる飲み物です。また、国産のバターやチーズなどの乳製品は、大部分が北海道産の生乳が原料となっています。北海道の味をぜひ日々の食生活に取り入れて下さい。