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様々なブランドがあり高級なイメージのある国産牛肉。皆さんは「肉用牛」とはどんな牛だと思いますか?北海道内でと畜・加工される牛肉の9割以上が乳用種・交雑種の牛肉となっているのですが、どんなお肉なのでしょうか?
今回は、北海道産牛肉の種類とおいしく食べるための選び方について、ホクレンビーフ課の鈴木よりご説明いたします。
ホクレン農業協同組合連合会
畜産販売部 ビーフ課
鈴木 涼平
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牛肉生産量日本一の北海道では、主に黒毛和牛に代表される「和牛」、搾乳が中心の乳用牛に和牛を交配して生まれた「交雑牛」、乳用牛を肉用に育てた「乳用種肥育牛」が育てられています。高級肉の代名詞となっている霜降り肉は柔らかな食感ですが、赤身肉はしっかりとした肉質のため弾力があり、とても食べごたえがあります。スーパーや精肉店で「国産牛」として販売されている牛肉は、ほとんどが乳用種と交雑種で占められており、牛肉の種類によってそれぞれ特徴がありますのでご紹介します。
〇北海道産牛肉の種類と特徴
牛肉の甘みや風味を堪能できるお肉
霜の降り具合、肉の色味、締りなど肉質の良さが特徴で、価格も一番高くなります。赤身の滑らかな歯ざわり、緻密に入りこんだ霜が、柔らかい口当たりと牛肉の風味を生み出しています。
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脂肪が少なくヘルシーなお肉
サシがあまりなく、味わいが濃く感じられる赤身が多いのが特徴で、脂肪分が少なく肉本来の旨味を感じることができます。
北海道の肉用牛のおよそ3分の1を占めており、価格は比較的リーズナブルです。
適度に脂がのった旨味の強いお肉
適度にサシが入り脂質の旨味もありながら赤身の味わいも感じやすい牛肉です。
サシの入り方、価格帯ともに黒毛和牛と乳用種肥育牛の中間になります。
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一般的に繁殖農家が母牛を飼育し、産まれた子牛を5ヶ月から半年まで育てた後、家畜市場に出荷します。その家畜市場で肥育農家が子牛(素牛)を購入し、肉牛として育てた後、出荷となります。出荷された肉牛は、畜産公社などのと畜場でと畜処理されて「枝肉」となり、加工場で脱骨・整形などをして「部分肉」になります。その後、スーパーなどの量販店に納品され、スライスされるなどして「精肉」として販売されています。
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畜産公社での獣魂祭の様子
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私たちのために犠牲になってくれた家畜への感謝と供養のため、慰霊碑が建てられていることをご存じでしょうか。と畜された動物たちが安らかに過ごせるよう、年に一度、慰霊碑前に神主さんをお招きし、ご祈念する式が執り行われます。このように、“いのち”を大切に想う生産者や加工する人、販売する人など、「精肉」になるまでには多くの人たちが関わり、そのおいしさをたくさんの方に届けたいという思いで取り組んでいます。皆さんぜひ、牛への感謝と人への感謝も込めて、北海道産牛肉のおいしさを味わってください!